シャビエルからみる4つのフットサル応用術

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芝生の上のブンデスリーガモデルのサッカーボール

まるでフットサル選手のようなプレースタイルーー。

今季、名古屋グランパスに期限付きで途中加入したガブリエル・シャビエルは「フットサル選手」のようなプレースタイルでわずか半年足らずの短い期間にもかかわらず多くのファン、サポーターを魅了し、名古屋グランパスは何度も窮地を救われてきた。

足元の技術が持ち味のブラジル人MFは、幼少期からサッカーと並行して7年間フットサルをプレーしていた。その経験があったからこそ、今のプレースタイルに繋がっているのだ。

シャビエルは出場したリーグ戦にすべて先発で起用され、14試合で7ゴール14アシストをマーク(第39節時点)し、その凄さは数字からも見て取れる。

シャビエルのストロングポイントでもある「ゴール前での冷静さ」、「細かいボールタッチ」、「アイデア・判断力」、「オフ・ザ・ボールの動き方」の4つは、フットサルを通して習得できるプレーでもあり、サッカーにおいても重要なプレーでもある。なぜフットサルを通して習得でき、サッカーにおいても重要なプレーなのか、ガブリエル・シャビエルを例に挙げて解説していく。

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ガブリエル・シャビエルプロフィール

  • 名前:ガブリエル・シャビエル(Gabriel XAVIER)
  • 背番号:44
  • 生年月日:1993年7月15日
  • 出身:ブラジル
  • 身長/体重:170cm/70kg

1.ゴール前での冷静さ

まず、「ゴール前の冷静さ」だ。

シャビエルは2列目からの飛び出しが巧くゴール前でキーパーと1対1になる場面が多い。その際、普通の選手ならばキーパーの手の届かないところにシュートを放ちゴールを狙うだろう。しかしシャビエルはスルーパスを受けた最初のワンタッチでキーパーを冷静にかわし無人のゴールへと確実に決める。そのためシャビエルはFC岐阜戦でのハットトリックを含む7ゴールをマークしている。

そしてこのプレーこそがフットサル選手のようなプレーでもあるのだ。

サッカーゴールの大きさは横7.32m×縦2.44m。それに対してフットサルゴールの大きさは横3m×高さ2mと横幅は半分以下になるため相当小さい。的が小さい分、フットサルではゴールを決めにくく確実に点を決められる状況を作り出さなければならない。そのため小さくシュートフェイントをするなどして、キーパーを躱し無人のゴールへと決めるパターンが効果的となるのだ。

2.細かいボールタッチ

シャビエルは細かいボールタッチによるドリブルが特徴的だ。

フットサルでは狭いコートの中、ボールを大きく蹴り出してドリブルすることができないため、必然的に細かいボールタッチが求められる。

細かくタッチしてボールを運びながらのドリブルは、その足でパスやシュートをすれば予備動作が短いため、大きく振りかぶらない分、相手選手は反応が遅くなる。このドリブルはバルセロナのリオネル・メッシやアンドレス・イニエスタも得意としており、彼らの予測不能なパスやシュートもこのドリブルをしているからだ。

このドリブルのメリットは、ボールを常に近くに置いておけるため顔を上げてプレーしやすく、視野の確保ができることだ。そうして冷静に周りの状況判断をすることができる。そこから一気にギアを上げてドリブル突破をしたり、相手を引き付けて空いたスペースにパスを通すことも可能だ。

3.アイデア・判断力

サッカーのコートが縦・約100m×横・約70mに対してフットサルは半分以下の縦・約40m×横・約20mとかなり狭い。そのためフットサルではプレッシャーを受けやすく素早い判断力が培われる。シャビエルもその恩恵を受けておりボールを持った時のアイデア力、判断力に富んでいる。

シャビエルは選手が密集しやすいバイタルエリアでボールを受け、相手選手数人に囲まれても慌てずボールをキープして捌くことができる。そうなれば周りにはスペースが生まれるため彼を起点にして決定機が生まれる。

助っ人外国人ガブリエル・シャビエルのメイクスペース

そのため14試合出場で14アシストを決めている。惜しくも得点が決まらなかったシュートや、ゴールの起点となったチャンスメイクをカウントすればシャビエルの生み出したチャンスは数多い。

それだけではなく、シャビエルはアイデア力にも長けている。例えば、第29節アビスパ福岡戦で見せたヒールパスだ。幼少期から相手に囲まれる経験が日常的にあったからこそ、冷静に判断し、意表を突いたヒールパスができたのではないだろうか。

フットサルはサッカーと違って人数が少ない分ボールに触れる機会も多いため、その都度判断が必要になる。そうしてシャビエルの判断力が養われてきたのだ。


また、シャビエルは守備面でも判断力も優れている。先を読む能力が優れているため、シャビエルのボールカットを起点にグランパスの攻撃が始まるシーンが多く見受けられる。

4.オフ・ザ・ボールの動き

シャビエルは相手と相手の間でボールを受けることがしばしばある。このオフ・ザ・ボールの動きはフットサルでも同様に相手の判断を遅らせることができ、チャンスを作ることができる。受け方は、サッカー、そしてフットサルでも効果的だ。

相手と相手の間に入り込み、ボールを受けることで相手は一瞬、誰がディフェンスに行くか迷い、判断が遅れる。この一瞬が致命的になることもあり、その隙にワンタッチで抜け出され、キーパーと1対1になるか、決定的なパスを出されてしまうからだ。

相手のマークを乱すオフ・ザ・ボールの動き

フットサルをすることでサッカーも上手くなる

ヨーロッパや南米ではシャビエルのように幼いころからサッカーと並行してフットサルをしていたという選手が多く、シャビエルの他にネイマールやジダン、シャビ、クリスティアーノ・ロナウド、メッシらもまた、幼少期にフットサルをしていた過去を持つ。そして高校生ぐらいの年齢の時にサッカーをやるか、フットサルをやるか判断する選手が多いそうだ。

フットサルと言うとドリブルばかりで、足元の技術のイメージが強く、テクニック勝負のようなイメージを抱いている人が多いかもしれない。しかし、実際はそうでなくフットサルは狭いピッチの中、どうやってその足元の技術を使うか、相手をかわすか、ボールを繋ぐか受けるかを、瞬時に判断しなければならない。

そのためフットサルをすることで足元の技術以外に、サッカーでも通用するような判断力や冷静さが身につけられる。

また、サッカーはピッチが広く、人数が多い分どこかで数的優位が生まれるため自分が関わらなくても大丈夫な場面も少なくはない。逆にフットサルでは全員攻撃、全員守備の連続であるためサッカーにおける攻守の切り替えも速くなるのだ。

さらに、フットサルをすることでディフェンスに対する責任感が強くなることも一つのメリットだ。

前途したようにサッカーではピッチ上で数的優位、不利の状況が生まれるがフットサルではそうなることがほとんどない。フットサルは基本、フィールドプレイヤー4人同士での数的同数で戦うことになる。そのため一人一人の守備に対する責任の比重がとても重く、一人が守備をサボってしまえばそこから崩されてしまう。

そのためフットサルをしたことで、自分のマークする相手に対する責任感が強くなることも、フットサルの一つのメリットと言える。

ただ、小さいコートでサッカーの延長線上の5対5のミニサッカーをするだけでは意味はない。まずはかじる程度でもいいのでフットサルという競技を習い、学ぶことが重要なのだ。

もし、サッカーに伸び悩んだ際はフットサルを始めることも一つの手かもしれない。そして、もしそれで自分がフットサルに向いていると思えば思い切ってフットサルへ転向してもいいだろう。

文=舞野隼大
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